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SPring-8/SACLAを使い尽くす
結晶の中に潜む「隠れた分子」を発見
――放射光が解き明かす非磁性絶縁体の謎――
東京大学大学院新領域創成科学研究科の鬼頭俊介助教、西田祥太大学院生、徳永祐介准教授、有馬孝尚教授、理化学研究所創発物性科学研究センターの豊田新悟研究員、高輝度光科学研究センターの中村唯我研究員の研究グループは、ニオブ酸化物結晶の中に潜む「隠れた分子」を発見しました。
「きれいな」X線レーザーパルス幅計測に成功
-背景信号を完全排除し計測精度を格段に向上-
X線自由電子レーザー(XFEL)[1] 施設「SACLA[2] 」において、背景信号のない「きれいな」XFELパルス幅計測に成功しました。 本研究成果により、XFELのパルス幅を正確に知ることができ、複雑なX線と物質との相互作用の深い理解やその応用展開に貢献することが期待されます。
旧石器時代末期の狩猟対象を放射光X線CTで解明
─特別史跡「福井洞窟」出土、約1万6千年前の焼骨片を非破壊で動物種推定─
新潟医療福祉大学の澤田純明教授らによる共同研究グループは、特別史跡「福井洞窟」(長崎県佐世保市)から出土した約1万6千年前の微小な焼骨片について、大型放射光施設SPring-8の高分解能X線CTを用いた非破壊分析に成功しました。
見えてきたナノサイズ細孔の内部構造
~複合的な手法により高精度な構造解析を実現~
ジャイロイド構造をもつシリカメソ多孔体MCM-48を対象として、従来の電子線結晶学の手法に、放射光X線回折データと電子密度解析の手法を組み合わせることにより、細孔の3次元構造とガスの吸着過程を、従来と比べてより精度の高い電子密度分布として初めて可視化しました。
植物のRNA編集酵素の「はたらく姿」を初めてとらえた
-PPR-DYWタンパク質の結晶構造解析から、精密なC→U RNA編集の仕組みを解明-
生物情報学的手法を用いてコンセンサスPPR-DYWタンパク質を設計し、その構造機能解析を行いました。大型放射光施設SPring-8(ビームラインBL45XU)を用いたX線結晶構造解析により、PPR-DYWタンパク質が標的RNAを認識・編集する瞬間の立体構造を世界で初めて明らかにしました。
SPring-8のミリ秒高速rheo-SAXSでコロイド結晶の瞬間融解機構を解明
~ソフトマターは変化が遅いという常識を覆し、 1ミリ秒の構造変化を直接観測~
大型放射光施設SPring-8のBL40XUおよびBL19B2において、せん断下の微粒子構造をその場観察する放射光rheo-SAXS/USAXS測定系を開発し、コロイド結晶が衝撃的なせん断を受けた直後、わずか1ミリ秒で構造変化を開始する過程を直接観測することに成功しました。
深層事前分布に基づくグリッド除去技術による軟X線角度分解光電子分光の抜本的高効率化 〜エネルギー分解能を損なわない高速/高精度観測環境を構築〜
大型放射光施設SPring-8の軟X線固体分光ビームライン BL25SUで稼働しているマイクロ集光軟X線角度分解光電子分光システム(μSX-ARPES)に、独自開発した「深層事前分布に基づくグリッド除去法」(DPDM)を統合することで、従来のエネルギー分解能を損なうことなく超高効率なμSX-ARPES測定が行える環境を実現しました。
酸素極小層から深海まで続くマンガン酸化の実態を解明
―セリウム同位体が明らかにする海洋中の新しい物質循環モデル―
北西太平洋において海水およびマンガンクラスト中のセリウム(Ce)安定同位体比δ142Ceの鉛直分布を詳細に解析し、酸素極小層(OMZ)から深海に至るまでマンガン(Mn)酸化物の形成が連続的に進行していることを明らかにしました。
抗体によるT細胞応答の新たな制御機構の発見
-自己免疫、アレルギー疾患の制御法や最適化ワクチン抗原の開発への応用に期待-
大阪大学免疫学フロンティア研究センターの荒瀬尚教授らと東北大学・東京科学大学・信州大学・理化学研究所の研究グループは、新たな免疫制御機構として、免疫応答の際に「MHCと抗原ペプチドの複合体」に対する抗体が産生され、それがT細胞の認識を阻害することで過剰なT細胞応答を制御していることを発見しました。