User Info
SPring-8/SACLAを使い尽くす
抗体によるT細胞応答の新たな制御機構の発見
-自己免疫、アレルギー疾患の制御法や最適化ワクチン抗原の開発への応用に期待-
大阪大学免疫学フロンティア研究センターの荒瀬尚教授らと東北大学・東京科学大学・信州大学・理化学研究所の研究グループは、新たな免疫制御機構として、免疫応答の際に「MHCと抗原ペプチドの複合体」に対する抗体が産生され、それがT細胞の認識を阻害することで過剰なT細胞応答を制御していることを発見しました。
メタノールを効率よくエネルギー変換する酵素の立体構造を解明
メタノールをエネルギー源として利用する酵母において重要な役割を担う酵素の立体構造を、クライオ電子顕微鏡を用いて高精度で解明しました。その結果、よく似た構造の2種類の酵素が環境に応じて異なる働きをする仕組みが明らかとなりました。
表面に集まるゲルマニウム原子がゲルマネン合成の鍵
―加熱か冷却かで「粒」か「シート」かが決まる原理を解明、量子ビット材料探索に貢献―
本研究では、ゲルマニウム基板上の銀薄膜に加熱・冷却でゲルマネンを作製する手法を詳細に解析しました。結果、加熱中300℃で現れたゲルマニウム粒が500℃で消えること、500℃から300℃への冷却中に銀薄膜表面のゲルマニウム量が増えることの2工程がシート状のゲルマネン形成の鍵であることを明らかにしました。
カンラン石の変形と結晶構造変化が誘起する深発地震
愛媛大学先端研究院地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)大学院生の松田光平さん(博士後期課程2年)、大内智博准教授と高輝度光科学研究センターの肥後祐司主幹研究員らの研究チームは、今まで不明だった深さ400~600 kmで発生する「深発地震」の発生原因の解明につながる実験に成功しました。
国産高解像度宇宙X線望遠鏡の開発に成功
~天文学×放射光科学の融合で「激動の宇宙」を視る~
名古屋大学大学院理学研究科の三石 郁之 講師、藤井 隆登 博士前期課程学生、作田 皓基 博士後期課程学生 、安福 千貴 博士後期課程学生、吉田 有佑 博士後期課程学生、吉原 諒 博士前期課程学生、東京大学先端科学技術研究センター 三村 秀和 教授、夏目光学株式会社 橋爪 寛和 取締役常務、名城大学理工学部 宮田 喜久子 准教授、ならびに理化学研究所放射光科学研究センター香村 芳樹 チームリーダーらによる研究グループは、天文学分野と放射光科学分野の技術を融合し、国産の高解像度宇宙X線望遠鏡の開発に成功しました。
ガラスにならない酸化アルミニウムを透明な非晶質の塊に
〜5配位ピラミッドと6配位八面体からなる超高密度構造と結晶を超える誘電率を高圧力で実現〜
工学院大学と物質・材料研究機構を中心とする研究チームは、国内複数機関との共同研究により、従来「ガラスにならない」と考えられてきた単一成分酸化物である酸化アルミニウム(Al2O3、アルミナ)について、室温の高圧プロセスにより、ミリメートルサイズの透明な非晶質(アモルファス)の塊(バルク)を合成することに成功しました。
超伝導技術が導く高エネルギー分解能X線吸収分光の新展開
―多面的な精密化学種解析: セシウムを例として―
日本原子力研究開発機構システム計算科学センターの山口瑛子研究副主幹、奥村雅彦研究主幹、立教大学大学院理学研究科の山田真也准教授、理化学研究所仁科加速器科学研究センターの橋本直理研ECL研究チームリーダー、東京都立大学理学研究科の奥村拓馬准教授、東京大学大学院理学系研究科の高橋嘉夫教授らによる研究グループは、超伝導転移端検出器を用いた蛍光X線の高エネルギー分解能測定による分析を行い、セシウムのX線吸収スペクトルの高エネルギー分解能化に成功しました。この方法により、より詳細なCsの化学状態の推定が可能であることを明らかにしました。
放射光実験の大容量データの即時圧縮技術を開発
-SPring-8のデータを8,600分の1に圧縮-
理化学研究所 放射光科学研究センター制御情報・データ創出基盤グループの初井宇記グループディレクター、高輝度光科学研究センター研究 DX 推進室の西野玄記主幹研究員、城地保昌室長、東北大学大学院理学研究科の齋藤真器名准教授らの共同研究グループは、放射光実験におけるX線画像検出器から出力される大容量データを即時圧縮するデータ処理基盤を開発し、大型放射光施設「SPring-8」(BL35XU)において構築し、運用を始めました。
病原菌における抗菌ガス分解酵素の活性化の仕組みを解明
~抗菌薬開発の新たな設計指針を提供~
兵庫県立大学大学院理学研究科の當舎武彦教授、理化学研究所放射光科学研究センターのチャイ・ゴパラシンガム客員研究員(北海道大学理学研究院助教)、高輝度光科学研究センターの重松秀樹主幹研究員を含む共同研究グループは、髄膜(ずいまく)炎菌が持つ抗菌ガスの分解酵素が二量体を形成することで、活性化される仕組みを解明しました。