BL3においては、反射型セルフシード方式(図1)による狭帯域XFELの利用が可能です。セルフシードXFELは、SASE型XFELと同等の平均パルスエネルギーを有しつつ、高い単色性を示します。この方式のXFELの提供には1シフト程度の調整時間が必要です。また、波長変更にも通常より長い時間を要します。これらの調整時間はユーザービームタイムに含めます。
セルフシードXFELの利用を計画されている場合は、利用可能な波長条件などについて、課題申請前にXFEL利用研究推進室まで必ずお問い合わせください。
参考文献:
I. Inoue et al., Nature Photon. 13, 319 (2019).

セルフシードXFELの特性
セルフシードXFELのスペクトル
XFELのスペクトル幅(ΔE/E)は、0.03%程度です。これはSACLAの通常の運転モードと比較して約10分の1になります。一方で、セルフシードモードのパルスエネルギーは、通常モードのおよそ60%になります。例として図2に通常の運転モードとセルフシードモードにおけるスペクトルを示します。

ショットごとのエネルギー幅のゆらぎ
セルフシードモードでは、ショットごとにXFELパルスの光子エネルギー幅が異なります。これは、電子ビームの性質(特に、エネルギーチャープ)がパルスごとに異なることに起因しています。図3にショットごとの光子エネルギー幅のヒストグラムを示します。スペクトル幅の情報が実験データの解析に必要な場合は、EH1のシングルショットスペクトロメーターを用いてショットごとのスペクトルを実験と並行して測定することが可能です。

発振可能な光子エネルギーとパルスエネルギーの目安
| 光子エネルギー | 7-15 keV |
| エネルギー幅 | 0.03% |
| パルスエネルギー | 200 µJ@7-10 keV, ~100 µJ@15 keV |