極短パルスで高輝度なXFELパルスを利用する実験として、ポンププローブ計測が多く行われています。それらの実験の多くでは、XFELに加えて光学レーザーが利用されます。本ページでは、SACLAに設置されている各種光学レーザーの特性について紹介します。
フェムト秒レーザーシステム
温度制御されたレーザーハッチ1(LH1)およびレーザーハッチ2(LH2)にそれぞれ1台のTi:Sapphireレーザーをベースとしたチャープパルス増幅システム(CPA: Chirped Pulse Amplifier)が導入されています。LH1のレーザーシステムはBL3の各ハッチ(EH1、EH2、EH4c)、LH2のレーザーシステムはBL1(EH4a)とBL2(EH3)での実験に利用されます。下図に示されているのはLH1のレーザーをBL3で使用する場合の概略です。レーザー利用条件は、使用する実験ハッチにより異なります。
BL1およびBL3の各実験ハッチで使用する場合には、タイミングモニターによる相対到達時刻の計測が可能です。XFELとフェムト秒レーザーパルスの到達時刻は、光学遅延ステージ及び電気遅延回路を使用して調整します。BL3を例にとれば、各実験ハッチに設置した光学遅延ステージを使用する場合には、6.7 fsステップ、最大 2 nsの時間遅延が可能です。電気遅延回路を使用する場合には、1 psステップ、最大 0.9 msの時間遅延が可能です。
なお、BL2 EH3でもタイミングモニターの整備を進めています。

EH2@BL3 使用可能なフェムト秒レーザーの詳細
| 基本波 | 2倍波 | 3倍波 | 4倍波 | |
| Wavelength | 800 nm | 400 nm | 267 nm | 200 nm |
| Pulse Energy (Max.) | ~12 mJ | ~0.5 mJ | ~0.2 mJ | ~0.02 mJ |
| Pulse Duration | ~40 fs | ~30 fs | ~50 fs | |
| Rep. Rate | 60 Hz | 60 Hz | 60 Hz | 60 Hz |
上記に加え、光パラメトリック増幅器(OPA: Optical Parametric Amplifier)からの光を利用可能です。使用可能な波長域は0.25-2.6 µmで、下図のようにパルスエネルギーは波長に依存します。

EH4c@BL3 使用可能なフェムト秒レーザーの詳細
| 基本波 | 2倍波 | 3倍波 | 4倍波 | |
| Wavelength | 800 nm | 400 nm | 267 nm | 200 nm |
| Pulse Energy (Max.) | ~12 mJ | ~0.5 mJ | ~0.2 mJ | ~0.02 mJ |
| Pulse Duration | ~40 fs | ~30 fs | ~50 fs | |
| Rep. Rate | 60 Hz | 60 Hz | 60 Hz | 60 Hz |
EH3@BL2 使用可能なフェムト秒レーザーの詳細
光パラメトリック増幅器(OPA: Optical Parametric Amplifier)からの光を利用可能です。使用可能な波長域は0.25-2.6 µmで、下図のようにパルスエネルギーは波長に依存します。

EH4a@BL1 使用可能なフェムト秒レーザーの詳細
| 基本波 | 2倍波 | 3倍波 | 4倍波 | |
| Wavelength | 800 nm | 400 nm | 267 nm | 200 nm |
| Pulse Energy (Max.) | ~12 mJ | ~0.5 mJ | ~0.2 mJ | ~0.02 mJ |
| Pulse Duration | ~40 fs | ~30 fs | ~50 fs | |
| Rep. Rate | 60 Hz | 60 Hz | 60 Hz | 60 Hz |
上記に加え、光パラメトリック増幅器(OPA: Optical Parametric Amplifier)からの光を利用可能です。使用可能な波長域は0.25-2.6 µmで、下図のようにパルスエネルギーは波長に依存します。

ナノ秒レーザー
EH3内の温度制御されたブースに、ナノ秒レーザーシステムが導入されています。これらのナノ秒レーザーシステムは、EH3における各種実験で利用可能です。
EH3@BL2 使用可能なナノ秒レーザーの詳細
| グリーンレーザー Minilite, Continuum | 光パラメトリック発振器* NT232, Ekspla | |
| Wavelength | 532 nm | 532 nm |
| Max. Pulse Energy | ~20 µJ | 波長に依存(下図参照) |
| Pulse Duration | 3-5 ns | 2-5 ns |
| Rep. Rate | 10 Hz | 30 Hz |
*光パラメトリック発振器(OPO: Optical Parametric Oscillator)のパルスエネルギーは波長に依存します。

ハイパワーレーザー
SACLA-SPring-8 相互利用施設に、2種類のハイパワーレーザーシステム(ハイパワーナノ秒レーザー、ハイパワーフェムト秒レーザー)が導入されています。これらのハイパワーレーザーはそれぞれ、EH5における100Jレーザー利用実験、EH6における500TWレーザー利用実験に供されます。
これらのハイパワーレーザーを利用した実験を計画されている場合は、利用可能なレーザー条件などについて、課題申請前にXFEL利用研究推進室まで必ずお問い合わせください。
※ハイパワーナノ秒レーザー装置は、大阪大学が中心となって整備されました。
EH5@BL3 使用可能なハイパワーナノ秒レーザーの詳細
| ハイパワーナノ秒レーザー | |
| Wavelength | 532 nm |
| Pulse Energy (Max.) | ~15-20 J(5 ns矩形波)* |
| Rep. Rate | 0.1 Hz |
*最大エネルギーはパルス波形に依存します。記載している値はサンプル位置における値です。
EH6@BL2 使用可能なハイパワーフェムト秒レーザーの詳細
| ハイパワーフェムト秒レーザー | |
| Wavelength | 800 nm |
| Pulse Energy (Max.) | ~8 J* |
| Pulse Duration (Typ.) | ~40 fs |
| Rep. Rate | 1 Hz |
*記されているエネルギーはパルス圧縮後の値です。